2010年09月13日

集合的な温かい記憶

2010.9.1 - My mistress' eyes are nothing like the sun からのつづきのようなもの

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豆と蔓が描かれた愛用のカップ (左) と、Baker's Cocoa のプレート (右)

イヌコが死んだ秋の日の夜、トルコキキョウの花びらの裏側を走る血管から
しーんと目が離せなくなった。
「植物も命なのだから大切にしなくては」 というような、
いわゆる思考とか認識ではなく、沸き出てくる広く穏やかなもの… といったらいいのかな。

生命の幾何学、フラクタル、宇宙のカタチ、細胞のカタチ、
植物が生きているカタチ、古代文様、雪の結晶、原始……
そんなイメージが、内側からしーんと押し寄せてきては、
心のなかを、静かにうごめいているような。

イヌコの死を通して、自分でも気づかないうちに、
内的な死を通過していたのだなということが、今、改めて思い返してみると、よくわかる。
そういう死の淵ギリギリの深いところに堕ちていく過程、その前後の心象風景が、
想像ではなく、確かな特徴をもって描写されているなあと感じた箇所を
『1Q84』 BOOK2 の終盤から、すこし抜粋してみます。

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2010年09月01日

My mistress' eyes are nothing like the sun

2010.9.2 22:30 非常に個人的なるメモ書きとしての追記1, 2 あり
2010.9.10 23:30 BOOK1, BOOK2 自分用メモ置き場なかんじでちょこちょこ追記とか


『1Q84』 BOOK1 を読み終えたところです。
ほう… こうも "月" がキーワードになってくるお話しだとは知らなかった。
発売当初、本屋に積み重ねられていた 『1Q84』 の表紙を眺めながら、
第1部, 第2部… ではなく、BOOK1, BOOK2… としているところに、
意図的ないやらしさというか、何をすかしているのだろうかしらというか、
どうにも脳みその端っこに引っかかるものを感じてしまっていたのだけど、
読んでみてなるほど… というような。
"M OO N" "B OO K" ○○  8 このへんのイメージかしら?

天吾がふかえりに抱く感情の奥深さが、深いところに届く。
たぶん、あの不思議ななつかしさのようなもの、集合的無意識の領域…
BOOK1 を読んで、個人的に好きだと思ったところを抜粋してみる。
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タグ:1Q84
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2010年06月13日

動物園ではあらゆることが行われている

#思い出した。 というかすっかり忘れてた。
 
2010.6.12 - Are you going to Scarborough Fair? のつづき。 というか書き忘れてたこと。
 『ねじまき鳥』 に関するごくごく個人的な読書メモとして。
 (■2010.6.14 23:00 最下部に追記 "I Am A Rock" etc.)


こういうことばっかりやってるから読み終わらないのだ。
ええと、まだ 『ねじまき鳥』 を読んでいて、でも、今夜じゅうには読了の予定。
どうして "Scarborough Faire" の歌詞を改めて読んだりしていたのかというと、
「パセリ、セイジ、ローズマリー、アンド、タイム……」 の だいぶあとに、

 Zoo
 明るいコール音が鳴った。

 新潮文庫 『ねじまき鳥クロニクル 第3部』 著: 村上春樹 (p279)


動物園。 地下の迷宮へ入るシナモンの二枚の扉、その一枚が "Zoo" なのですね。
「"At The Zoo" by Simon & Garfunkel ???」
な気がしたことが歌詞カードを引っ張り出した直接のきっかけだったのに、
"Scarborough Faire" から "Sound of Silence" の脇道コースにそれたまんま
すっかり忘れてたことに気づいたので、さささとメモっときたい。

「動物園ではあらゆることが行われていると誰かが僕に言った」
創作過程をほんの少しだけのぞかせていただいたようなかんじがしておもしろい。

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posted by Riccazow at 19:11 | TrackBack(0) | 本を読む

2010年06月12日

Are you going to Scarborough Fair?

『ねじまき鳥』 から一貫して聴こえてくる "小さな神" "沈黙の神" の存在に、
預言者エリヤが神の声を聴く場面や、(*1)
ヨブ記で語られるエリファズの体験を感じながら。(*2)
(ほんとしつこくてごめんなさいませ。以下、すべて個人的なメモのようなものです)

 「疲れたような気がする」と僕は言った。
 それは自分の声には聞こえなかった。
 それに僕はそんなことを口にするつもりもなかったのだ。
 その声は僕の意思とは無関係に、自然とどこかから出てきた。
 でもそれは僕の声だった。 (中略)

 空はもう真っ暗になり、ネオンサインやビルの窓の明かりや
 街灯や車のヘッドライトが、街を輝かせていた。
 僕はその部屋にいることにだんだん我慢ができなくなっていた。


 新潮文庫 『ねじまき鳥クロニクル 第3部』 著: 村上春樹 (p83-84)


意識と無意識、その間で混沌としている様子がさらさらと描写されていくなか、
"ネオンサイン" とまあ、著者的には何ら象徴の意味を持たせたつもりもなさげな単語に、
「ネオンサインは警告を閃かせる!
 "Sound of Silence" by Simon & Garfunkel」 とか勝手に小さく反応してたら、
その30ページ先に、今度はほんとうの サイモン&ガーファンクル がでてきた。

 「パセリ、セイジ、ローズマリー、アンド、タイム……」
 と僕は歌うように言った。
 (同上 p117)


ちょっと意識が遠くに浮遊しかけそうな古い聖歌みたいな呪術的な。
サイモン&ガーファンクルの "スカボローフェア" (原曲は、イギリス民謡)
さっき改めて歌詞カードを引っ張り出してみたら、
ほーー、なんかほんとうにナツメグと彼のことが書かれてる(笑)

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2010年05月31日

神の子どもたちはみな踊るのだ。

身体のこのへんにうごめいているものに、ピタリと符合するタイトルに呼ばれるみたく、
村上春樹氏の短編集 『神の子どもたちはみな踊る』 を読む。

神の子どもたちはみな踊るのだ。
神の子ども… って、もちろんわたしじゃないよ。
この間連れてきちゃった真夜中のあの子がどうやらそうらしく。
(ああ、妄想著しすぎるアタクシをどうかそっとしておいてやってくださいな… 笑)

だけど、神の子じゃなくても、この感覚ってものすごくよくわかる。
数年ぶりにまた走ることをはじめてみて感じる鮮明な近しさ。
規則的に繰り返される呼吸、踵が地面を捉え、五指で大地を握っていくリズム、
身体が主旋律と副旋律の対話なら、風は伴奏のようなものかも知れない。

 音楽に合わせて無心に身体を動かしていると、自分の身体の中にある自然な律動が、
 世界の基本的な律動と連体し呼応しているのだという確かな実感があった。
 潮の満ち引きや、野原を舞う風や、星の運行や、
 そういうものは決して自分と無縁のところでおこなわれているわけではないのだ。


 新潮文庫 『神の子どもたちはみな踊る』 著: 村上春樹 (p107)

つづきを読む> 【追記 6/2 12:30 コメントありがとうございます】
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2010年05月08日

野生の思考

何日か前から拝読している 作家: 高橋源一郎氏のツイッターから発信される声に、
内的な近しさを感じている今日この頃。 http://twitter.com/takagengen

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2009年10月03日

見ろ、あの月を。

 エロディアスの侍童: 見ろ、あの月を。不思議な月だな。
  どう見ても、墓から抜け出して来た女のやう。
  まるで死んだ女そつくり。どう見ても、屍をあさり歩く女のやう。

  (中略)

 エロディアスの侍童:  まるで死んだ女のやう。
  それがまたたいそうゆつくり動いていゐる。


 岩波文庫 『サロメ』 オスカー・ワイルド (訳: 福田恆存 p13)


いつ以来になるのかもう忘れたけれど、『サロメ』 を読み直している。
福田恆存氏の旧訳が好きだなあと思う。
真っ黒い雲のすき間から姿をのぞかせる十四番目の月がこわく美しく、
昨日の真夜中、あれはまさにサロメの冒頭だった。

ちょうど COI が終わるころ、今日は十五夜。
会場の熱気をあとに、月が見えるといいのだけど。


無言で意思表示したい方、ひとこと言っておきたい方、クレームをつけたい方も。こちらで受け付けております。
 ウェブハクシュ
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